超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




帰ろうとして歩いているとサッカーボールが飛んできて頭に当たった。
元々睡眠不足など疲れが溜まっていたこともあり、気を失ったこと。

倒れるときに手をついたため筋を痛めたこと。
倒れ方も変に足をひねって、軽い捻挫をしたこと。

ほかにも擦り傷とかできてしまっている。




「重傷じゃん」

「見た目だけですよ。頭をコンクリートで打たなかったし」

「それはそうだけど……」

「わたしは颯くんが来たことにびっくりです」

「時間ができてカフェに行ったら、閉まってて貼り紙あったから」



それを知らないゆきちゃんは驚いていたけど、おれは気が気じゃない。

心臓が壊れるかと思った。



「スマホ確認したら着信すごかったです」

「心配だったから」

「ふふっ、空野くんは過保護のお兄さんみたいね」

「旦那でお願いします。お義母さん……!」

「きゃあ、空野くんが息子なんて最高よ!」



いつもの雰囲気に戻り話しながら白川家へ帰る。

おれも一緒に家に入れてもらえた。




< 213 / 400 >

この作品をシェア

pagetop