超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
帰ろうとして歩いているとサッカーボールが飛んできて頭に当たった。
元々睡眠不足など疲れが溜まっていたこともあり、気を失ったこと。
倒れるときに手をついたため筋を痛めたこと。
倒れ方も変に足をひねって、軽い捻挫をしたこと。
ほかにも擦り傷とかできてしまっている。
「重傷じゃん」
「見た目だけですよ。頭をコンクリートで打たなかったし」
「それはそうだけど……」
「わたしは颯くんが来たことにびっくりです」
「時間ができてカフェに行ったら、閉まってて貼り紙あったから」
それを知らないゆきちゃんは驚いていたけど、おれは気が気じゃない。
心臓が壊れるかと思った。
「スマホ確認したら着信すごかったです」
「心配だったから」
「ふふっ、空野くんは過保護のお兄さんみたいね」
「旦那でお願いします。お義母さん……!」
「きゃあ、空野くんが息子なんて最高よ!」
いつもの雰囲気に戻り話しながら白川家へ帰る。
おれも一緒に家に入れてもらえた。