超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
薄く開いた唇の隙間から舌を滑り込ませるとびくっと肩が上がる。
けど、それも受け入れてくれて深く絡み合う。
ふたりの吐息と服の擦れる音と時計の針の音だけが響く部屋。
あ、もうやばい。
そう思ってゆっくりと唇を離す。
ゆきちゃんはとろんとした潤んだ瞳で見ていて、また心臓が射抜かれる。
こんなかわいい表情、女優さんでもできないよ!
「かわいすぎて我慢できなかった」
ゆきちゃんをぎゅっと包み込むように抱き締める。
いま、おれの腕の中にいてくれていることが夢みたい。
「ん……」
短く返事をして、照れたようにおれの服を握って顔を隠す。
そんなひとつひとつの行動すべてがおれのツボに入る。
から痛くない程度に抱き締める力を強めた。
「ゆきちゃん、あのね、いままでおれ、ゆきちゃんのこと考えられてなかったよね」
「え?」
驚いた声を出して顔を上げたけど、顔を見られたくなくて頭ごと抱き締める。