超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




薄く開いた唇の隙間から舌を滑り込ませるとびくっと肩が上がる。

けど、それも受け入れてくれて深く絡み合う。


ふたりの吐息と服の擦れる音と時計の針の音だけが響く部屋。



あ、もうやばい。


そう思ってゆっくりと唇を離す。


ゆきちゃんはとろんとした潤んだ瞳で見ていて、また心臓が射抜かれる。



こんなかわいい表情、女優さんでもできないよ!





「かわいすぎて我慢できなかった」



ゆきちゃんをぎゅっと包み込むように抱き締める。

いま、おれの腕の中にいてくれていることが夢みたい。




「ん……」


短く返事をして、照れたようにおれの服を握って顔を隠す。

そんなひとつひとつの行動すべてがおれのツボに入る。


から痛くない程度に抱き締める力を強めた。




「ゆきちゃん、あのね、いままでおれ、ゆきちゃんのこと考えられてなかったよね」

「え?」



驚いた声を出して顔を上げたけど、顔を見られたくなくて頭ごと抱き締める。





< 217 / 400 >

この作品をシェア

pagetop