超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




大切なゆきちゃん。
失うなんてぜったいにいやだ。




「おれがアイドルだから、たくさんしんどい思い、くるしい思い、我慢もさせるかもしれない。本当は黒瀬くんといるほうが幸せになれるのかもしれない」

「そんなことっ……」

「でもおれは、それでもゆきちゃんと一緒にいたい。つらい思いさせるかもしれないのに、ゆきちゃんを手放したくない」

「……いま怒ろうとしたけど、止めてよかった」

「ゆきちゃんになら怒られてもいいよ」

「もうっ!」



冗談だけど。
いや、半分は本当だけど。



「ゆきちゃんにだけ無理させてごめん。片方が無理してがんばるんじゃなくて、ふたりで一緒にがんばって支えあっていけるような関係になりたい」

「でも、颯くんは忙しくて十分無理してる」

「仕事は別。それを言い訳にして、ゆきちゃんが気遣ってくれることに甘えてた。おれがゆきちゃんを幸せにしたい」



おれしか与えられないような幸せをゆきちゃんへあげたい。





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