超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。



「ゆきちゃん!?」

「雪乃!大丈夫か?」



騒ぎに気づいたのかお母さんとお父さんがわたしの元に小走りでやって来る。

周りのお客様には目もくれずわたしの目の前に来て、お父さんに両肩を掴まれた。


わたしは笑って大きく頷く。



「大丈夫だよ。騒がしくしてごめんね」


忙しい時間帯だったのに。

お客様もわたしたちに注目してるし。



「そんなのはどうでもいいんだ。雪乃になにかあったら……」

「そうよ。すぐに大きな声出さなきゃ」

「ごめんごめん。つぎはそうする」

「つぎなんてあってたまるか!」



お父さんの鋭いツッコミに確かにあったら困るなぁって思う。

苦笑いしていると、昔からの常連さんが興奮気味にさっきの状況をお父さんとお母さんに説明しだした。




「あたしも見てるだけしかできなかったのにそこの坊やがね……」

「空野くん……!」




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