超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。



モヤモヤしたまま、時間になり寒空の下に出る。

用意されていた台本のようにしゃべったり、アドリブでしゃべったり。


特に問題なく中継が終わる。

今日の仕事はこれが最後。
だからあとは家に帰るだけ。



「お疲れ様です」


声をかけて、海成を置いて車に素早く乗り込む。

自分のスマホでも、藍原くんのネットニュースを見る。


《かわいいすぎるの声多数》
とトピックに上がっている。


そんなことはどうでもいいんだ。


ゆきちゃんが藍原くんになにかされていないかが心配。

おれも藍原くんがどんな人なのか、あまり知らないし。
おれに対する印象ではクールで冷たいぶっきらぼうな感じがある。


やっぱりどうしても気になるから、ゆきちゃんに直接聞こう。
それがいちばんいい。


心臓がバクバクする。
おれの心配のしすぎならいいな。




そう思いながら、ゆきちゃんへ電話をかけた。




< 278 / 400 >

この作品をシェア

pagetop