超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




ゆきちゃんがおれのことで気づくように、おれもゆきちゃんのこと気づくんだよ。

ゆきちゃんが隠しているとかじゃなくて、ゆきちゃんの周りのことに想像がついてしまうんだ。



『アイハラくん……?』



この感じは本当に知らないのかもしれない。

とぼけているわけでも、誤魔化しているわけでもなさそう。


そのことにホッとする。




『アイハラ、アイハラ……あ!もしかして、藍原凌馬くんですか?』

「え、知ってるの?」



何度も苗字を繰り返し、思い出したかのように彼のフルネームを言った。

知ってる……?


いや、待って。
おれが出てたドラマで藍原くんと共演していた。

ゆきちゃんはそのドラマを見てくれていたから、それで知っているだけかもしれない。




落ち着け、落ち着け……。




『逆に、颯くんの知り合いなんですか?すごい偶然ですね!』



うわ、これは嫌な予感が当たる予感……。





< 280 / 400 >

この作品をシェア

pagetop