超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
『凌馬くんが迷子になっているときにたまたま居合わせて、道を聞かれて案内してそこから仲良くなりました。ちょうど颯くんが生中継していた花日ケ浦まで案内したんですよ』
「いや、待って!仲良いの!?」
ゆきちゃんの言葉はいつも聞き逃さず、ぜんぶ受け止める気でいるけど、後半部分がまったく頭に残らなかった。
仲良くなった!?
そっちのほうが問題。大問題だ。
『はい。仲良いと思います。最近お店にもよく来てくれるし、同い年なので話しやすいですし』
待って待って待って。
お店に行ってる!?
それってぜったいゆきちゃんに気があるでしょ?
経験者のおれだからわかる。
たしかにスイーツもドリンクもおいしい。
けど、なによりゆきちゃんに会いたくておれは通っていた。
藍原くんもそうに決まってるじゃん。
やだやだやだ。
おれ以外の男の人と仲良くなってほしくない。
わがままでも、大人げなくてもいい。
ゆきちゃんはおれのだもん。