超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
凌馬くんと仲良くしたら颯くんがヤキモチ妬くみたいだけど、凌馬くんはよくお店に来てくれる。
お客様として来ていたら無視するわけにもいかないし、だからといって愛想悪く対応するわけにもいかない。
どうするのが正解なんだろうか。
元々、距離が近い人みたいだからさっきみたいなこともよくある。
やっぱりかっこいいし、芸能界に入っていることもあってか、女の子にも慣れていてさっきみたいに「かわいい」とサラッと言う。
聞こえていないふりをしてしまうけど。
颯くんにはあんまり会えないけど、凌馬くんとはよく会える。
どうしてなんだろうか……。
「凌馬くん」
「なんだよ」
「すごく聞きにくいんだけど……ヒマ、なの?」
その言葉に、凌馬くんは飲んでいたオレンジティーを吹きそうになったのを堪えて飲み込み、そのあとむせていた。
そんな凌馬くんにおしぼりを渡す。
口元をおしぼりで覆い、落ち着かせる。