超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
「うん。普通にする」
『それがいいね。でも、藍原くんとばっかりだから、おれがゆきちゃんに会ったときはおれとしかできないこと、たくさんしよ』
颯くんとしかできないこと……?
お家でまったりしたり、デートに行ったりかな。
颯くんとしかできないこと、わたしもたくさんしたいな。
『たっくさんイチャイチャしようね。ぎゅーしてちゅーして……覚悟しててね?』
「っ……」
色っぽい声が耳に届いて、ぬいぐるみを潰れるくらいにぎゅっとしてしまう。
いまの、やばいよ……。
それはたしかに、颯くんとしかできないね……。
『……返事は?』
「……はい」
『よし……』
なんだか恥ずかしいような照れくさい空気が流れる。
心音がうるさい。
電話だけでこんなにドキドキするのは颯くんだけだ。