超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




『おれの家においでよ。遠慮しないで鍵使ってくれていいからね』



颯くんから合鍵をもらってから、家を出る時に鍵を閉めた以外は使ったことがない。

いつか使いたいとは思うけど、緊張してしまう。



でも、お仕事で疲れている颯くんに会えなくても差し入れだけ置いておくってこともしたい。

欲を言えばもちろん会いたいけど。




「はい。また行きます」

『それは本当に来るか怪しいやつだ。だから決めるね。今年中にゆきちゃんから合鍵使っておれの家に来てね』


えぇ!?

今年ってもう残り1ヶ月くらいだよ!?


まだ勇気が足りてないけどできるかな……。



でも、そうして決めてくれたほうが行きやすいのかも。




「が、がんばります……」

『待ってる』



颯くんの声がはずんでいる。

楽しみにしてくれていることがわかる。



がんばろう……!





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