超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
空気がなんだか重いと感じるのはわたしだけなのかな……?
また俯くと、颯くんがわたしの手を指でトントンとするから、空気の重さよりドキドキが勝ってしまう。
膝の上だと凌馬くんから見えてしまうと思い、さり気なく手を下ろし座布団の上に置く。
するとすぐに颯くんによって指を絡められてしまった。
「あれ?白川さん、顔赤くない?」
「あ、ソラくんに緊張してるの?初めて見る?」
「オーラすごいよね」
顔が赤いのがバレてしまった。
颯くんに緊張してるのは間違いではないから、わたしは何度も首を縦に振って肯定する。
「もしかしてソラくんのファン?」
「は、はい……すごくファン、です」
「そうなの?うれしいなぁ」
颯くんはわざとらしく顔を覗き込んでそんなことを言ってくる。
絡めた指に力が入る。
恥ずかしい……。
「雪乃ちゃん顔真っ赤だね。凌馬との撮影でもそんなにならなかったのに」
「……チッ」
凌馬くんのマネージャーさんがなにか言っているけどそんなの頭に入らない。