超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
だって、ゆきちゃんに会うの久しぶりだよ?
じゃあほかにも話したいこと、したいこと、いっぱいある。
妬いて不安になるだけじゃもったいない。
「ねぇ」
「ん?」
「雪乃からキスして」
「えっ……?」
「だめ?」
「だめ……じゃないけど……恥ずかしいから……」
その顔、逆効果だよ。
それにいまの格好考えてみてよ。
自分からキスするのは恥ずかしいって言いながら、おれの上にまたがって俺の頬を両手で包み込んでさ。
そっちのほうが恥ずかしいでしょ?
なんて教えてあげないけど。
教えたらすぐに離れるのが目に見えてる。
まだこの状況を楽しませてよ。
「キス、したくない?」
「したい」
「ふっ、即答」
そろそろおれも限界だよ。
でも、ゆきちゃんからしてほしいな。
この表情を見れるのは、おれだけでしょ。
おれしか見たことないでしょ。
おれだけの特権だよね。