超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。



仕事と恋愛で充実している。

まぁ、心配事は絶えないけどね……。








『颯くん、ドラマ見ましたよ。すごく泣けました。つぎで最終回なんて寂しいです』

「ありがとう」

『でも、莉子ちゃん役の女優さんに嫉妬しちゃいます。颯くんに見つめられて真剣に告白されてて……』

「…………」

『役っていうのはわかってるんですけどね!』

「…………」



その言葉にどう反応すればいいのか迷って無言になる。


ゆきちゃんが嫉妬してくれるのは正直うれしい。

けど、ちょっとタイムリーだった。


おれにはそんな気はまったくない。
神に誓って断言できる。




ゆきちゃんも藍原くんのこと、おれが嫉妬するってわかってるけどなにもないからって教えてくれる。


隠されてるほうがいやだってゆきちゃん自身も思ってるからだろう。



ならおれも、隠さずに報告しておれの気持ちも伝えたい。




「あのね、実はその女優さんに今日プライベートでも仲良くしたいって言われたんだ……でもね、断ったし連絡先も交換しなかったよ。まったく揺れなかった」

『そうなんですね。颯くんは魅力的でかっこいいから……』



一瞬しゅんとなったのが電話越しにもわかる。





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