超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
颯くんから聞こえる心音も、わたしと同じように刻んでいた。
「一緒に住んだら、こんな感じなのかな?」
「え?」
「奥さんみたいだね」
「っ、」
わたしの顔を覗き込んできた颯くんは、すごくかっこよくてかわいくて。
それでいて、わたしの反応を楽しんでいるみたいに、不敵に笑っている。
そんな表情も素敵なんだから、颯くんはずるいなぁ。
いつもいつも、すきにさせられる。
「ん~、いいにおいする」
「あ、ご飯作ったの。あったかいうちに食べてほしいです」
「やった!食べます!!」
もう一度ぎゅっとしてから、すぐに離れて中に入る。
手洗いうがいやコートを脱いだりと準備をしている間に、テーブルに並べていく。
メインはハンバーグ。
大きめに作ってみた。
あとは副食も気合いを入れて作った。
「わぁ、すごい!!」
部屋に入ってすぐに、テーブルの目の前まで来てまじまじと料理を見る。
「おいしそう!!」
目を輝かせる颯くんに笑みがこぼれる。
その言葉だけで作ってよかったって思える。
まだ食べてないのにね。