超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
「わたし食器洗っておくから、颯くんは先にお風呂入っててください」
「一緒に入ろうよ」
「それは……」
「てか、帰るつもりじゃないよね?今日はお泊まりだよ?」
「えっ!?」
「春乃さんにもう連絡しておっけーもらっちゃったよ」
き、聞いてないよ……。
しかもお母さんと颯くんって何気に連絡取り合っていてけっこう仲良しだよね。
いいことだけどさ。
「決まり、ね?」
「はい……」
「いや?」
「心の準備ができていなかっただけで……」
「なにそれ。かわいいね。お風呂入ろっか」
「一緒には入りません!」
「ざーんねん。まぁ、いつか心の準備ができたら、入ろうね」
それはいつになるのかわからない。
だって、恥ずかしすぎるから。
でも、颯くんが望むならいつかは……なんて思うわたしは、もう心の準備をし始めているんだろうね。
「……はい」
「あーもう、ゆきちゃんやばいって。襲っちゃう前にお風呂行くね」
「お、おそっ!?……ゆっくり入って疲れとってくださいね」
颯くんの言葉に戸惑ったけど急いで平静を取り戻す。
ニコニコしたまま颯くんはわたしのおでこに口づけてからお風呂に行った。