超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
このドキドキはいつになっても慣れない。
わたしばっかり、ドキドキさせられている気がする……。
食器を洗いながら、颯くんのことばかり考えていた。
少しして颯くんが上がってくる。
「お先。つぎどうぞ」
「早いですよ。もっとゆっくりしていいのに」
「元々あんまり長風呂しないタイプなんだよ。ゆきちゃんが一緒に入ってくれるならもっと入る。入りなおしてもいいよ」
「まだその話続いてました!?」
「いつでもするよ」
「それはからかってますね?」
ぜったいわたしの反応を見て楽しんでいる。
颯くんってそうゆうところあるもん。
「ひとりで入ってきます」
「ふっ、了解。服もバスタオルも置いてあるから」
「はい。ありがとうございます」
「あ、その前に……」
手をつかまれ背を向けたのに反転させられ、再び颯くんのほうを向かせられる。
その瞬間にシャッター音。
「ゆきちゃんが初めてライブ来てくれた格好を残しておきたくて」
「いまですか!?もう、髪も崩れてきてるのに」
「ゆきちゃんはいつでもかわいいから大丈夫。ゆっくりしておいでね」