超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




いきなり写真を撮るなんて……!

そう思ったけど、颯くんの顔を見たらなんでもよくなる。


お風呂に入るけどすぐに上がる。
やっぱりまだ慣れないし、なんか恥ずかしいから。
あと、わたしもそんなに長風呂はしないタイプだ。


颯くんから借りたスウェットを着て、リビングに戻る。




「早いよ」

「わたしも長風呂しないので」

「こっちおいで。乾かすよ」



颯くんが自分の前をポンポンとして示す。

わたしは促されるまま颯くんの前に座る。


颯くんが髪に優しく触れて乾かしてくれる。

気持ちよくて眠たくなってきた。




「ん、できた」

「ありがとうございます」

「どういたしまして」



お礼を言うと、後ろから包み込むように抱き締められる。

ついているテレビでは颯くんがゲストでトーク番組に出ている。



「颯くんだ」

「なんか恥ずかしいから消していい?」

「だめ。見たい」



顔だけ振り向いて颯くんを見つめる。

至近距離で目が合うと、颯くんから目を逸らされた。



「それはずるい……」


抱き締めている力を強めて、わたしの首元に顔を埋める。





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