超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




『だから、いま僕を応援してくれているファンのみなさんにはぜったいにずっと僕のこと、すきでいてほしいです。だからすんごいがんばります。僕のファンでよかったって思ってもらいたいです』


『ファンが恋人ってことだね』


『はい。ファンのみなさんの気持ちはこれからも僕だけで独占したいです』


『すごいね。ほんと独占欲の塊だ』




あ、ファンの話ね。
でもわたしもファンだから、そう思ってもらえてるってことだ。



「雪乃だからね」

「え?」

「もちろんファンの子の気持ちも離したくない。でも、雪乃のすきはおれだけのものにしたい。これからもずっと」



息がかかるくらいの至近距離。

テレビに耳を傾けていたけど、颯くんが消してしまう。


無音になった部屋で、時間が止まったかのように見つめあう。




「すきだよ」

「っ……」

「雪乃がだいすきだよ」



颯くんはよく言葉にしてくれる。

けど、何回聞いてもこの甘い響きはドキドキする。




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