超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
「ご注文が決まりましたら、お声がけください」
「あの、ホットコーヒーひとつ。ブラックでお願いします」
「かしこまりました」
注文を受けてからコーヒーの用意をする。
抽出している間にカップに白湯を入れて温める。
抽出できたら、白湯を流してコーヒーを注ぐ。
ふと顔を上げると、キャップをとったお客様の顔がよく見えた。
すごくきれいな顔。
全てのパーツが整っており、バランスよく配置されていてすごくかっこいい。
一度見たらきっと忘れられない。
モテそうだなぁなんて簡単な想像ができる。
だけど、なんだか元気がないように見える。
「こちら、ホットコーヒーとガトーショコラです」
「え?」
「あ、もしかしてガトーショコラお嫌いですか?」
「いや、好きだけど……頼んでないから」