超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。



「ご注文が決まりましたら、お声がけください」

「あの、ホットコーヒーひとつ。ブラックでお願いします」

「かしこまりました」


注文を受けてからコーヒーの用意をする。

抽出している間にカップに白湯を入れて温める。


抽出できたら、白湯を流してコーヒーを注ぐ。

ふと顔を上げると、キャップをとったお客様の顔がよく見えた。


すごくきれいな顔。

全てのパーツが整っており、バランスよく配置されていてすごくかっこいい。
一度見たらきっと忘れられない。

モテそうだなぁなんて簡単な想像ができる。


だけど、なんだか元気がないように見える。




「こちら、ホットコーヒーとガトーショコラです」

「え?」

「あ、もしかしてガトーショコラお嫌いですか?」

「いや、好きだけど……頼んでないから」




< 5 / 400 >

この作品をシェア

pagetop