超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。



夏ってだけで楽しい気持ちになる。

走る勢いそのまま、花音ちゃんと赤坂くんのあとに海へ飛び込んだ。



「雪乃やば」

「目に入った……」



花音ちゃんにやばいと言われるほど勢いよく飛び込んだせいで、入って早々海水が目に入ってしみる。

目が開けられなくて怖い。



「ど、どうしよう……」

「落ち着け」


プチパニックになっていると、低い声が聞こえて浮き輪が押さえられる。

おかげで波がきても流されることがない。


少しすると目を開けることができて、瞬きを繰り返しなじませる。




「治った!」

「それはよかった」

「黒瀬くん、ごめんね?ありがとう」

「目が離せないな」


おでこをツンと指で押されて苦笑する。

その通りだ。
海に来てすぐこうやって迷惑をかけてしまった。




「反省してます……」

「まぁ、俺が見える範囲でなら思いきり楽しんでも大丈夫。すぐに助けてやるよ」

「はーい!なんか黒瀬くん、先生みたいだね!」

「…………」





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