超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




「あ、ちょっとごめんね」

「いいよー」


電話に出ることを伝えると、花音ちゃんがすぐに了承してくれる。

立ち上がって海の家の裏に移動しながら応答をタップする。



「もしもし」

『あ、ゆきちゃん!既読がすぐについたから思わず電話しちゃった。いま大丈夫?』

「はい、大丈夫ですよ」

『最近お店に行けてなくてごめんね。早く行きたいな』

「忙しいんですよね?熱中症とか気をつけてくださいね」

『うん。ありがとう。ゆきちゃんの声聞いてもう癒されたよ』



本当に癒しになるのかはわからないけど、わたしにとっては空野さんとお話できるだけで笑顔になれる。


電話越しの声だと変わりなさそうで安心する。




『ゆきちゃんはなにしてたの?いま休憩中?』

「あ、今日はお店のお手伝いしてなくて。友達と海に遊びに来てるんです。いまちょうどお昼食べてました」

『そうなんだ。ごめんね、そんなときに電話しちゃって』

「大丈夫ですよ。気にしないでください。友達からも電話していいって了承もらいましたし」




< 66 / 400 >

この作品をシェア

pagetop