超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
空野さんの声、もっと聞きたいし。
『ならよかった。って海って言った!?』
「はい。海です。波の音聞こえます?」
マイクを海のほうに向けるとすぐに「聞こえる」と返ってくる。
『ってそれよりもゆきちゃん水着なの?』
「それは海に来てるんでいちおう」
『海ってアトラクションあるとこ?』
「そうです。午後からはそっちで遊ぼうかなって思ってます。わたし初めてなんでちょっとドキドキなんですけど」
「白川。かき氷きたよ。溶ける前に食べたら?」
「あ、わかった!ありがとう。空野さん、わたしそろそろ戻りま……」
『いまの声、もしかして勉強会一緒にしてた人?』
「そうです!すごいですね!今日はあの勉強会のメンバーで海に来たんです」
耳がいいんだな。
しかも声も覚えているなんて空野さんすごい。
『わかった。じゃあ、あとで』
「え?あ、空野さん!?」
切られちゃった。