超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
通話画面からドライフラワーの写真のロック画面に戻る。
空野さんの言葉に引っかかりながらも、海の家に戻りかき氷を食べた。
日焼け止めを塗りなおして、再び炎天下へ。
「おら、拓海行くぞ」
「おいっ」
赤坂くんが黒瀬くんを引っ張って走っていく。
「速い!待って!」
そう言いながら走る花音ちゃんも十分速すぎて、わたしだけ残されてしまう。
仕方ない。
ゆっくり行こう。
食べたばかりでそんな思いきり走れないし、急ぐこともないとしっかり砂浜を踏みしめて歩く。
「あれ?ひとり?」
突然、肩を叩かれて驚いて勢いよく振り返る。
そこには知らない男の人がふたり。
ふたりとも金髪で日焼けしていてサングラスをかけて、耳とおへそにピアスがついていた。
いかにもチャラいって感じの人。
「4人です。友達と来てて」
「えー?いないじゃん」
「アトラクションのほうにいますよ」
「どこどこ?いないじゃん」