超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
「よかったです!」
わたしも少し大きめの声で返す。
うれしいなぁ。
こうやって感想を伝えてくれて、喜んでもらえるとやっぱりすごくうれしい。
わたしが笑うとお客様も笑い返してくれた。
やっぱりかっこいい人だ。
素敵な笑顔だ。
この笑顔が見れることがうれしいから、カフェで働くことが好きだなって思う。
「ケーキ食べるとほっこりしますよね」
「…………」
わたしの言葉に反応せずに視線だけ強く感じる。
す、すごい見られてる……。
「お、お客様……?」
「あ、なんでもないです」
声をかけるとパッと目を逸らされた。
なんだったんだろう?
「実は今日、いろいろと上手くいかなくてへこんでたんです。でもいま元気出た」
もう一度わたしを見て目が合う。
本当に元気が出たみたいで、さっきの表情とは違い明るい雰囲気になっている。