魔法使いの僕はジョーカー
2、裏切り
「先生に、ドッキリを仕掛けたいと思ってますが、何のドッキリがよろしいか!」
あれから数日後の昼休み。軽く机を叩きながら、僕は友達に尋ねる。その中には、青菜もいた。
「……やっぱ、千秋のテンションに付いてけねぇわ」
近くで声がする。声がした方を見ると、僕のすべてを知ってくれてる僕の親友がいた。
「大体さ……迷惑だって思わないの?……皆!こいつはな……」
え……ちょっと待って……何で、そんな冷たい目を僕に向けるの?
「こいつな!魔法使いなんだってよ!嘘もいい加減にしろよな!」
「……嘘!まじかよ……中二病じゃん!関わるのや~めたっ!」
そう言って、皆僕から離れてく。……こうなるんなら、誰にも魔法が使えることを話さなきゃ良かった。
昼休み。僕は、屋上のフェンスに腕を乗せて、町を見ていた。
「……千秋くん……」
誰かの声が聞こえてきて、振り向くと、黒いローブを着た愛葉が立っている。その顔は、とても心配そう。
「……愛葉?どうして……」
「カードマジシャンと雪くんのみ、この世界に来ることを許可されたから、どんな世界なのか気になって……そしたら、千秋くんを見つけてさ」
愛葉の笑みに、僕の胸が高鳴ったような気がした。