魔法使いの僕はジョーカー
3、卒業そして入学
今日は、僕らの卒業式。式が終わって、放課後になった時、僕は帰る準備をしてトランプを宙へとばら撒く。
「スート・マジック」
トランプが光り出して、色んな形に姿を変えた。ハート、ダイヤ、クラブ、スペード……。皆は、驚いた顔でそれを見てる。
「……皆にお知らせ。僕は、魔界で暮らすことになった。だから、もう二度と皆には会えない……本当に魔法が使えることを証明して、お別れするよ」
僕はその場で呪文を唱えて、魔界へと向かった。
「千秋くん!遅刻するよ!!」
その声で、僕は開けた2階の窓から外を見る。魔法学校の制服に身を包んだ愛葉が、僕を見上げていた。
「わわっ!今から行く!」
僕はカバンを持つと、2階の窓から飛び出す。ストンと愛葉の隣に着地すると、おはよう、と挨拶をした。
「もう!入学式初日から遅刻しないでよ!」
愛葉に言われ、僕は「ごめん」と謝る。愛葉と僕は、同じ学年。
「突然だけど……私、千秋くんが好き」
愛葉は、顔を真っ赤にしながら言った。
「え……?」
「何度も言わせないで……千秋くんが好きなの!」
僕は愛葉に対する気持ちに気づいて、そっと愛葉にキスを落とした。