僕の世界の半分で
「ゆん、おはよう」
少しだけ身体を離し、彼女の目を見て挨拶をする。すると彼女はもう一度元気よく「おはよーございます!」と言った。
今日も元気だなぁ、かわいいなぁ。
「菊花ちゃんは?」
「います」
「まだ準備中?じゃあ中で待とうかな」
「ましゃ、しゃしん は?」
「菊花ちゃんがいないと撮れないからちょっと待ってね」
「しゃしん とります」
「うん。菊花ちゃんが来たら────あ、」
玄関先で、まだ靴を履いたままの僕と裸足のままの彼女。
いつもの事ながら なかなか離れてくれないゆんを包み込んだままの僕の視界に、廊下の先にあるリビングに繋がるドアから、こちらに向かってくる人物が映り込んだ。