僕の世界の半分で
「全然平気だよ」と返し、ソファに座る。
ちょうどその位置から見えるのは、普通の家にはないであろう大きなホワイドボード。
イーゼルに立てかけられたそれには、『まさと と しゃしん 』とでかでかと書いてある。
ゆんが今も昔も変わらずにいてくれていることにほっとして、小さく笑みを零す。
「写真だけのために…本当申し訳ないわ」
「いつものことだし気にしてないよ」
「結花、今日5時起き」
「俺にメッセージ届いたのも5時だった」
「写真とるとるって昨日からうるさいのよ」
「けど、なんだかんだ俺も毎年楽しみにしてる」
「なーにそれ、成長しちゃってー」
小さい頃から一緒に居た僕が気づいたら高校生になっているのだから、成長を感じるのもわかる。
そばに居ればいるほど、当たり前のことを思いだした時に驚いてしまうものだと思う。
ふと、隣に座ったゆんに目を向ければ、彼女は最近持ち始めたというスマホを見ていて、僕とのメッセージ画面を開いていた。