僕の世界の半分で
写真を撮り終えれば、ゆんは満足そうに笑って家の中に入って行った。
「俺も学校行くね。菊花ちゃんありがとう」
「こちらこそいつもありがとうね」
「ん。じゃあまた夜に」
「頑張れ高校生―!」
ひらひらと手を振る菊花ちゃんに頭を下げ、彼女の家を出た。
『ましゃ!』
ああ、今日も可愛かった。制服がよく似合っていた。
菊花ちゃんに、またいつも通り写真を現像してもらおう。
そんなことを思いながら、今日から通う学校に続く道を行く。
僕の思う“普通”がどこまで受け入れてもらえるかなんて分からない。
これから通う学校で、いつどんな変化が起こるかもわからない。
たくさんの不安と少しの希望を胸に、僕の新しい春が始まりを告げた。