僕の世界の半分で
この世は本当に理不尽だ。
好きな人の好きな人が“ショーガイシャ”だと知った途端、普通を受け入れられない人間は手のひらを返したように”好きな人”を嫌になる。
告白してきたのは紛れもなく“彼女”だったはずなのに、「雅翔から告白してきたのに」と真っ赤な嘘をつ言いふらす。
“彼女”じゃなくなった途端、こころのない無責任な言葉をつらつらと吐き出すのだ。
付け加えると、“元彼女”は、僕がゆんを好きだという事実を散々広めた挙句、みんながその話題に飽きてくると今度は僕のことを≪可愛い子なら誰とでも関係を持つ遊び人≫なんていう、中学生にしては若干ハードな噂を垂れ流していた。
“元彼女”は普通しか受け入れられないタイプの人間だった。
それだけが、中学生の僕が目の当たりにした現実だった。