僕の世界の半分で
―――
――
―
「雅翔、アイス買ってきてくんね?」
「は?なんで俺」
「お前だけ30分も集合が遅れてるからに決まってんだろ」
「しかたねえだろ…学校違うんだし」
「よく言う。女の子から告白されてたんだろ」
「……え、なんで知ってんの」
「うわ、ホントだったのかよ。まゆさんに『遅れる』って連絡入れたっていうから、告白かもなって勝手に言ってただけなのに」
「なんだよそれ…、」
「まあどっちみちお前はアイス買ってこないとダメ。ゆんは俺らの帰宅とほぼ同時に家来てるし雅翔だけが遅刻なわけ。な?わかった?」
「あー、もう。わかったよ」
「わかればいいんだよ。俺と晴陽とゆんの分、よろしく」
入学式が終わり双子の家に向かうと、僕以外のメンバーが勢ぞろいしていた。
着くや否やアイスを買ってこいと言われるなんて、あまりに辛辣だ。
それに誰もついて来ようとしないし、そんな素振りさえも見せない。
優しさを知らないのか、双子は。