僕の世界の半分で





「初日からモテモテねぇ」


双子の母親の葉子ちゃんが、僕を見ながらそんなことを言う。


「いや別にそういうわけじゃ…」



モテモテとか、そういうんじゃない。
今日、入学式が終わって早々にされた告白は殆ど奇跡のようなものだ。


「ひとめぼれしました!これからアタック頑張ります」という、強気な告白だった。ドキドキよりも、(勇者…)という感情が強く残っている。


同じクラスの女の子なので、きっとこれからはなすようになるんだろうな、とぼんやりと思ったりもした。




「ましゃっ」

「え、なに ゆん」

「わたしもましゃのことすきです!」

「いや、うん…俺も好き、だけど、えっと…」

「はあ?雅翔照れてんのかよ、きしょいな」

「っうるせーよ!」



突然好きだなんて言われたら誰だって照れる。
ゆんのこういうところ、本当苦手だ。

不意打ちは勘弁してほしい。

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