僕の世界の半分で
僕ももちろん、彼女に魅力を感じているうちのひとりだ。
浅木先輩と話すのは楽しい。
絵だって、先生に褒められるよりも彼女に褒められる方が嬉しかったりもした。
高嶺の花。
声には出さずとも、きっとみんなそう思っていると思う。
そんなあだ名が付けられてもおかしくないような彼女が、今、僕を好きだと言ったのだ。
信じられるわけがない。
なんのドッキリかと思う。
けれど───彼女のまっすぐな瞳には、嘘の色がひとつもみえない。
どうして、浅木先輩が僕なんかを好きになってくれたんだ。僕のどこに魅力を感じたんだ。
疑問ばかりが次々浮かぶ。
けれど、嘘のない瞳に見つめられて、「好き」だと言ってもらえたことを純粋に喜んでいる僕がいるのは事実だった。