僕の世界の半分で
僕が通う学校は県内にあるけれど、地元の中学校から僕と同じ学校に進学する人はいないと、進路が決まった時に先生から聞いた。
もともと僕の中学校は生徒があまり多くはなかったので、それは別に珍しいことではなかった。
春を迎えるにあたり、寂しさよりも、これから楽しくやっていけるかどうかという不安の方が僕の気持ちを支配していた。
友達はちゃんとできるだろうか。
人見知りだから心配だ。
別に一人が苦なわけではないけれど、人生一度きりの高校生活なのだ。人並みに青春はしたい。
となると友達の一人や二人は必須条件になる。
…ああ、心配だ。
そんな僕に、昨夜1本の電話がかかってきた。
『よ』
『やっほー』
電話の相手は幼馴染の晴陽(はるひ)と朝陽(あさひ)。
2人は双子だ。
彼らは仲良く地元の高校に進学することになっている。幼稚園の時に親ぐるみで知り合ってからずっと関係を続けていて、中学までは毎日時間を共有していた。