僕の世界の半分で
兄の晴陽は、周囲にはクール王子だなんだと騒がれているイケメン。
確かに口数は少ないし、基本的に何に対しても無気力だから、晴陽をよく知らない人からしたらそう見えているのかもしれない。
喋ってみると意外と面白いし、お笑い好きだし、一緒にいて退屈しない。
これが一般的にギャップと呼ばれるのなら、晴陽がその一面を少しでも周りに見せようものなら、女の子からの告白が今まで以上に耐えなくなるだろう。
弟の朝陽は中学時代からずっと天然たらし。
不特定多数の女の子に優しくするからよく告白されているけれど、本人に“思わせぶりをしている”という自覚がないせいで、過去に何人もの女の子が泣かされているのだ。
好きじゃないなら優しくすんなよ、と一般人の僕はいつも思っている。
2人の顔と身長は、男なら誰もが欲しがるレベル。神様に味方された双子は当たり前にモテる。
そんな2人と幼馴染みの僕の顔は、自分で言うのは恥ずかしいけれど、レベルを付けるとしたら中の上。身長も平均だ。
なんて世界だ。不公平すぎる。