僕の世界の半分で




ゆんを否定されることが怖かった。
僕を否定されるのが怖かった。



僕の、ゆんに対する気持ちは“普通”じゃないと思っていた。

だから、ゆんとの間に、“ショーガイシャ”と“健常者”の線を引いた。



こころの無い言葉に傷つきたくなかった。
目を背けて、逃げて、自分が分からなくなった。



けれど、そんな自分はもう今日で終わりだ。




「私は、渡来雅翔という一人の人間に惹かれたんだ」




…ああ、本当。バカだ、僕は。



世界はこんなにも美しい。


僕は僕のまま、僕にとっての“普通”を大事にしていきたい。


彼女を、ゆんを、僕なりに大切にしたい。



< 63 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop