僕の世界の半分で
ゆんを否定されることが怖かった。
僕を否定されるのが怖かった。
僕の、ゆんに対する気持ちは“普通”じゃないと思っていた。
だから、ゆんとの間に、“ショーガイシャ”と“健常者”の線を引いた。
こころの無い言葉に傷つきたくなかった。
目を背けて、逃げて、自分が分からなくなった。
けれど、そんな自分はもう今日で終わりだ。
「私は、渡来雅翔という一人の人間に惹かれたんだ」
…ああ、本当。バカだ、僕は。
世界はこんなにも美しい。
僕は僕のまま、僕にとっての“普通”を大事にしていきたい。
彼女を、ゆんを、僕なりに大切にしたい。