僕の世界の半分で
「…雅翔くん、」
彼女の綺麗な、透き通った声が響く。
「…好き。きみのことが好きだよ」
「…俺、も、」
「“好きです”?…うん、知ってるよ。でも私の方が好き。絶対」
彼女はそう言ってふふ、と小さく笑みをこぼす。
大好きな笑顔。
この先もずっと守りたい、大切なもの。
「今度、ゆんちゃんにも会ってみたいなぁ」
「ゆんもきっと喜びますよ」
「あ、あとね、雅翔くんのお母さんにもご挨拶したい。いつも幸せな気持ちにさせていただいてますって」
「ほかの言い方ないんですか」
「本当のことなのに。けど、うん。その時まで考えておく」
「そうしてください」
「ね。雅翔くんと出会えてよかった、私」
「…なんですか、急に」
「思ったから。伝えられる感情はさ、伝えられるときに伝えないと損だよ。明日は当たり前じゃないんだから」
当たり前じゃない明日も、どうか きみが隣で笑ってくれますように。