僕の世界の半分で
何故か僕の話で持ちきりになっていて、この状況に耐えがたくなった僕は買い出しがてらコンビニに向かうことにした。
恥ずかしくてこの場から逃げたかっただけなのに、コンビニに行くと伝えると、双子たちは恒例のごとくアイスの注文をしてきた。
…本当、僕のことなんだと思ってるんだ。
「俺はチョコ」
「俺も」
「しょうがねえなー…」
「ましゃ!ゆきちゃんのすきなところは?」
「…、えっとね、ゆんのアイスも買ってくるから待ってて、うん。うん」
「雅翔くん、気を付けて」
「うん。いってきます」
みんなの声に適当に返事をしてリビングを出る。
先輩、変に僕とのエピソード言ってないといいけどな、と少しだけそんな心配をしながら靴を履き、いざ家を出ようとしたとき。
ガチャリ。閉めたばかりのリビングのドアが開き、壱くんが出てきた。
「雅翔、俺も行くよ」
「え。いいの?」
「暇だし」
そういう壱くんの善意に甘え、二人でコンビニに向かうことになった。