僕の世界の半分で
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家に帰ると、リビングは家を出た時よりも騒がしくなっていた。
何やらテーブルの上に一つの本のようなものが開かれていて、みんなそれを見て盛り上がっているようだった。
「何見てんの?」
「あ、おかえり。これ、小1の時に書かされた文集みたいなやつ」
「文集?なんでそんなもの急に…」
「まゆさんが面白がって出してきた。ほら、雅翔と壱くんも見てみ?」
てっきり卒業アルバムとかだと思っていた僕は、正直文集と言われてもすぐに思いだすことができなかった。
そんなもの書いたっけ。
朝陽に促されて、壱くんと僕もテーブルを囲んで座り その文集に目を通す。
―――ぼくががおとなになったら、
文集の書き出しはタイトルは、どれもそれで統一されていた。