紅の華_
「あ、見て見て!あれ芽依の好きな花!」
前日の雨を感じさせないくらいの春の陽気に照らされて、赤い花はより一層綺麗に輝いていた。
「…蓮がかまってちゃん発動する花だね。」
「あの時はほんとすみませんでした……」
自分でもあの毒には後悔したらしい。
まぁそれもそのはず。あれは大人になっても結構痛むから。
「それにしても今日はいい天気だね〜」
手をかざして空を見る蓮は、目を閉じていた。
「…蓮、そのまま目つぶってて。」
私は蓮の前に立ち、少しだけ背伸びをする。
そして──────