紅の華_
「残念だったなぁ嬢ちゃん。……お前らまとめて3人、仲良くあの世行きだ。」
血を吐き出し、男が蹴ったドラム缶からは嫌な匂いのする液体が流れてくる。
それを見て蓮は驚き、慌てて立ち上がる。
「芽依を頼んだ。」
ボソッと呟いた声が聞こえた。
「…行かせられるわけ、ないだろ…」
蓮の服をつかみ、震えた声でそう言った。
それは幼い弟が兄へわがままを言うようにも見えた。
…それと同時に、縋っているようにも。
「最期くらいお兄ちゃんの言うこと聞けよ。」