紅の華_



「────“藍”!」



とても蓮の声とは思えなかった。

掠れていて、今は弟の藍よりも声が低い。




「……ありがとう、今まで。」


蓮がそう呟くと、隣に居る藍はギュッと握りこぶしに力を込めた。




「そして芽依、」



突然名前を呼ばれて、動きが止まる。

何を言われるのかわからない。
でも……“いいこと”じゃないのは確か。


















































「───今までありがとう。本当に愛してた。」






















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