紅の華_
「…これ…」
ポケットの中にあった小さい袋。
記憶がなくても肩身離さず持っていたなんて、私はどんな気持ちでこれを見ていたんだろう。
「ではこれにてお開きでーす!」
その日、クリスマスパーティーが終わる頃にはもう朝方になっていた。
「ふぁ…眠い〜……芽依、寝よ?」
「ごめん理緒、ちょっとまってて!」
「え?うん、わかったぁ〜」
ポケットの中にあるものをギュッと握った。
───…蓮。貴方が大好きだったあの人になら。