紅の華_
「じゃあ芽依、気をつけて。」
頭をぽんぽんと撫で、藍は裏門へ向かっていった。
登校は一緒だったけれど下校は別々に、そして今日は倉庫へは行かず真っ直ぐ帰らなきゃいけないらしい。
「それにしても暗くなるの早いね〜…芽依、寒くない?」
白い息を吐きながら理緒が聞いてくる。
どちらかと言うと理緒の方が寒さに弱いのに……あ、そうだ。
「芽依?そっち家の方向と違うけど……」
そういえばこの辺、自販機が……
「あった!」
3つ並んだ自販機。
ここで温かい飲み物でも買って、理緒に渡そう。