紅の華_


さっきの理緒の顔が頭から離れない。

あの作り笑いが、自分を責めているような顔が。



…前にも私は、誰かに……そう、蓮にあんな顔をさせた。



まだそこまで蓮たちが過保護になる前に私は1度紅華と対立する族に軽い拉致をされた。

そこでなんでもない、大丈夫と言った私は自分の体が震えているのに気がついてなくて。






“…遅くなってごめんね、芽依。”


酷く自嘲したような顔だった。

いつも蓮が言っていた頼ってという言葉を頼らなかった私が悪いのに。













「……ごめんね、理緒。」


貴方は初めてできた親友だから。

大切にしたい。力のない私でも、守りたいと思うから。






「ごめん………」







これが私の守り方、って言ったら貴方はきっと、泣きながら怒るんだろうな。







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