紅の華_
だけど予想はできる。
考えたくない、一番最悪な予想は。
「…お前、誰。」
俺の番号を知ってる……いや、俺の番号なら芽依の携帯を見ればいい。
…が、こいつ“お前の大好きな男の弟”とか言っていた。
それを芽依に言うということは俺が兄貴の…神崎 蓮の弟と知っている、ということになる。
「今どこにいる。」
『言うわけねぇだろ?…全く、兄貴は多少頭は回ったが、弟くんは好きな女の事になると冷静さが欠けるねぇ〜』
…こいつは、兄貴の事を知ってる。
それもかなり近いところにいたような口ぶりだ。