紅の華_
「……こそ……」
「え…?」
あの日、芽依に忘れられてから。
もう死んでもいいとすら思った。
この世に生きる意味を同時に2つ失った気がした。
でも芽依は生きてる。
記憶を失っても、俺と兄貴の事をきれいさっぱり忘れていても。
そして、芽依の記憶は戻った。
過去を乗り越えようと、芽依は前を向いていた。
だからこそ俺は────
「……今度こそ、護る。」
もう好きな人に、涙を流させないように。
君の場所へ。
藍side end