紅の華_
◆貴方の声が
動く度にうるさいくらいになり響く鎖。
天井は真っ黒。
私が今縛られているこのベッドも黒ずんでいて、ここは全体的に焼け焦げたような匂いに包まれている。
こんな倉庫、私はあそこしか思いつかない。
そして相手はこの男。
きっと、ここは1年前のあの事件の倉庫。
「案外怖がんねぇな。つまんねぇ〜」
男はナイフを弄んでいる。
それを見て「怖い」とは思うものの、それを見せたら負けだと思い私は我慢しているだけ。
それがそんなふうに勘違いされていたなんて。