紅の華_
「あぁ…お前らの大事なお姫様なら、向こうで息絶えてんじゃねぇかな」
なんで貴方は嘘をつくんだろう。
私には分からない。
でも蓮は彼が…今藤 瞬が嘘をつく理由を知っていたからこそ、助けたかったんだ。
「テメェ…!!」
珍しく逞が怒ってる声がする。
いつも温厚で、優しい逞が。
それでもこの窓から見える貴方は、平気で嘘を吐き続けるんだね。
「最後までいい声で鳴いてたっけなぁ…。“蓮助けて〜”ってな!」
───もうやめて。
それ以上は、きっと貴方が貴方を殺してしまうから。