紅の華_
でも……
「もう、復讐の連鎖を、繰り返さないで…?」
咄嗟にこちらに向けた銃口は、私の脇腹をかすった。
さっきから痛みはないけれど、意識が朦朧としている。
痛みがないのは…所謂アドレナリンというやつなのかな。
「もう喋んな……」
今藤 瞬はそう言って私へと手を伸ばす。
その手を叩き落としたのは………
「…ら…ん…」
前髪で表情の見えない藍だった。
「……触んな。」
掠れた声だった。
そして、藍と思えない声でもあった。